わかりやすすぎる。

 鳩山首相献金疑惑。
 国会でも追及され、なぞはふかまるばかりですが。

 それにしても、この問題ほんとうにやばいんだなってことが首相の態度からもわかります。

 なにせ所信表明演説で52分もしゃべる首相が、ことこの問題になるととたんにおもしろいくらい口をつぐむんですから。こんなにわかりやすくて大丈夫なんでしょうか。別にひとをあざむくことを奨励しているわけではないけれど、あまりにバカ正直というか、もうちょっと嘘がうまくてもいいような。こっちが不安になるくらいです。

 そもそも野党時代に自民党の「政治とカネ」問題をそれこそ重箱のすみをつつくように追求してきたのはどこのだれでしたっけ?これでは「民主党は身内にあまい」(自民党)といわれてもしかたないでしょう。

 だれの目からみてもあきらかな超級爆弾をかかえた鳩山政権は、来年の通常国会をのりきることができるのか?

どっちが大事?

 きのうは鳩山首相所信表明演説でした。
 去年の2倍の52分をかけて友愛をといたらしいです。
 野党からは「いいたいことがわからない」「具体性がない」と批判されたみたいで。
 正直抽象的なはなしを52分もきくのはたいへんだったでしょう。まあ所信表明演説は「信じる所を表し明らかにする」とかくので、別にみずからの信念をかたってもいいのかな、とはおもいますが。

 ただ、やっぱり官僚支配脱却は無理だったらしい。
 というか、いままでずっと政権をになってきて比較的経験豊富な自民党の政治家たちですらおおくをまかせていたものを、経験ゼロの民主党政治家がいきなりになえるわけがありませんよね。
 しがらみがないということは、すなわちコネも情もないということ。

 ところで、酒井法子の初公判がきのうあったそうで。はっきりいってすでにだいぶどうでもいいんですが、みんなそんなに興味があるんですかね。すくなくとも、国のこれからをうたう所信表明演説をさしおいて報道することでもないような。

 ほんとうにまともに政局を報道して都合がわるいことでもあるのでしょうか。

民主党にころされる(?)

 普天間の件は、結局おちつくべきところにおちつくような気がしてきました。

 県外移転は事実上無理だし、鳩山さんにまわり(防衛省、外務省、アメリカなど)の反対をはねのけるほどのつよい信念があるとはおもえません。というか、ただ空気がよめてないだけでしょう?北沢さんや岡田さんがイモひきはじめたことにも気づかないとしたら、相当ですよね。

 それより、海自のインド洋派遣が中止されるのはほぼ確実ですが、民主党は本気でアフガンの民生支援にのりだすつもりですかね?

 すでにいわれているとおり、アフガンはすでに欧米の軍隊におおくの犠牲者をだしているほどの超危険地帯なわけです。陸自をおくるにしても、カンボジアのときみたいにロクに装備ももたされないんじゃ、ただころされにいくようなもんです。より安全性のたかいインド洋での後方支援をわざわざうちきって、危険きわまるアフガンにおくろうというのですから、何かあったら政府の責任はまぬがれないでしょう。

 ほかにも、北朝鮮の貨物検査から海自を排除し、海保だけでやらせようとしているとか。政府はひとのいのちをなんだとおもっているんでしょうか?

 これらを強行して、もし死人がでたら冗談ぬきで内閣がふっとぶかもしれませんね。マスコミは民主党大すきみたいですが、さすがにひとがしんだらかくしきれないでしょう。

 それにしても、かわいそうなのは自衛隊員です。国をまもるという志のもとにあつまったひとびとが、国をまもる気なんかさらさらない連中にころされようとしているわけです。

 「文民統制」だから、アホな政治家が軍人をみごろしにしてもゆるされるのでしょうか?
 マジでクーデターかなんかおこしたほうがいいんじゃ・・・ころされる前に。

新聞はどうなる?

 まあ今のままってことは絶対にないでしょうが。

 それにしても、ほんとうに経営ヤバいんだなってことが最近どんどんあきらかになってきましたね。

 朝日新聞天声人語に新聞礼賛の記事をかき、読売新聞は池上彰さんの『新聞勉強術』をやたらもちあげていました。

 新聞そのものからこういうなりふりかまわない言説がとびだすあたり、各社のあせりを感じます。まさに「かたるにおちる」ってやつですね。ネットではどっちもボコボコにけなされてましたが。

 特に広告費は大激減らしいですが、会社だってバカじゃないんだから、けずれるところからけずっていくでしょうよ。そもそも、自分らが不景気+日本沈没をさんざんあおったから、みんな先行きの不透明感を感じて広告費を削減しはじめたんじゃないですか?

 別のエントリでもかいたんですが、日本人がこれだけ国家や社会に対して悲観的なのは、もちろんお国柄もあるでしょうが、なによりメディアがやたらめったら日本(政治、経済、文化なんでも)をたたいておとしめてきたこともおおきく影響しているとおもいます。なにしろ円高なら「輸出に依存する日本経済は破滅します」、さりとて円安なら円安で「外貨にみすてられた日本経済は破滅します」ですから。どないせえっちゅうんじゃ。

 そうじゃなくたって、日本のメディア(特に新聞)はびっくりするようなむちゃくちゃをやっていたわけです。24時間ハイヤーをのりまわし、入社数年目のペーペーが大新聞様の威光をかさにきて「経営者にあわせろ」なんてのたまう。もと○○新聞論説委員なんて肩書きの大学教師はゴロゴロしてます(これでよく官僚のタクシー券やら天下りを批判できるもんです)。おまけに企業からバカたかい広告費をとって、その結果できた記事が「首相はKY(漢字がよめない)」とかほんとうにみんなもっとブチぎれていいとおもうよ。

 ついでだからかきますが、ここ20年大なり小なり変動がいちじるしい日本の社会でほとんどかわっていないのがマスコミなわけです。成果主義が一時期もてはやされましたが、もっとも礼賛していた新聞社は実は年功序列だったというわらえない話。くわえて、例外的な再販制度で念入りにまもられてきました。冗談ぬきでビッグ3の経営再建になにかいえる立場じゃないとおもうんですが。「旧態依然とした経営モデルから脱しきれていない」のはおまえらもいっしょだろ。

 しかも、自分たちの没落の理由はインターネットの台頭だとつごうよくきめつけ、ことあるごとにネットたたき。自分たちがお金にみあった仕事をしていないからだとは夢にもおもわないらしい。

 ともかく、こうしてメディアの解体がすすむのは、日本のためにもたいへんにけっこうなことだとおもいます。

 そしてまた今年も、就活生の不安をあおって日経新聞を大量にかわせるあのもよおしがひらかれるのだろうなあとため息。

 ことし就職活動をはじめるみなさん。
 別にあんなもんよまなくても就職できます。
 わざわざ新聞とるくらいならそのお金を交通費にまわしたほうがいいです。

「だめだこいつ、はやくなんとかしないと・・・」

 まさかこのセリフを現実世界でつかうことになるとは・・・むろん、鳩山首相に関してですが。
 最近民主党支持のブログめぐりが日課になってきつつあります。
 たのむから、この政権を支持できる理由をだれかおしえてくれ。

 ところで、日下公人さんのおはなしをニコニコでききました。ひとつは番組のトーク、もうひとつは講演です。

 僕個人としては、チャンネル桜の主張にすべて賛成というわけではないのですが、日下公人さんをたびたび出演させているという点ではかなり好感がもてます(そういう意味では、コラムをのせている日経BPネットもおなじですが)。

 日下さんの著作は、高校時代から愛読しています。独特の視点からうまれる将来展望や、日本国に対する力づよい助言などが参考になります。

 この番組でも、日下節全開でした。
 「質問にこたえると、みんな絶句する」みたいなはなしがよく本にかかれていますが、番組のなかでも何度かそれがかいまみえました。
 あまりにドラスティックというか、いわゆる「想定していたこたえ」では全然ないからだとおもいます。

 司会「日本が外国に相手にされないという・・・」
 日下「相手にされなくていいじゃないですか」
 一同、困惑。

 こんな感じ。
 でも、ただ珍奇な意見を弄しているのではなく、そのあときちんと根拠をのべ、さらにそれが「日本のためになる」というところまで(ここ重要)説明されているところが日下節の特徴です。

 来年で80歳になられる日下さんですが、ぜひ長生きしていただきたいです。


 とりあえず鳩山さんには日下さんの本を一冊でもよむことをおすすめします。麻生さんはよんでたらしいですが(そういえばVoiceで対談もしてましたね)。

前大統領は草葉のかげでわらっているか。

 つい最近かえらぬひととなられましたが、韓国の前大統領は盧武鉉ノ・ムヒョン)というひとでした。

 左派の大統領で、はじめこそ大規模な公共事業や自主国防政策で支持をあつめたものの、結局急落して後半はほとんどさえなかった印象があります。

 理念先行の左派政権を、当時日本のネット住民はずいぶんわらいながらみていた記憶があります。

 ひるがえってわが日本ですが。

 鳩山政権のおざなりな対応についにアメリカがブチぎれましたね。

 いくらずっと反対してきたからって、いまさら普天間基地の県外/国外移転をむしかえしてどうするのでしょう。明確な対案があるならまだましなのかもしれませんが、ただその場しのぎの発言をつみかさねているだけにしかみえませんね。

 首相の発言、ブレまくりなんですけど、マスコミさん?

 挙句に「沖縄県民の相違がうんぬん」とあいかわらず自分が責任を負うつもりはないらしい。

 本気でノ・ムヒョンをわらえない状況になってきた気がします。

 中国新聞に「首相も県外移転のむずかしさがわかってきたらしい」なんてなさけない一文がかかれていましたが、歴代政権がなんとか県内移転にこぎつけたところを、はたから無責任に発言していたのだとしたら、政治家としての見識そのものがとわれるんじゃないでしょうか。

 余談ですが、長谷川慶太郎『2010大局を読む』を買っちまいましたよ。

 毎年おなじ内容と大好評のこのシリーズですが、今回は政権交代したとあって、民主党にもページがさかれています。

 いわく「民主党は『予算編成』と『米国関係』で対応をあやまれば早晩いきづまる」だそうで。

 さすがにこれには同意せざるをえません。

 「一度まかせてみようか」という国民のおもいを早々にうらぎりまくっている民主党ですが、さてさて・・・。
 

たしかな野党。

 民主党政権がはなばなしく発足するなか、総裁選がほとんど話題にならなかった自民党。今回は自民党についてかんがえてみたいとおもいます。

 口のわるいひとは「『政権党』であることがほぼ唯一のアイデンティティだった自民党は、政権からはなれた時点で役割をおえ存在価値はない」なんていっているみたいですが(そんなこといったら「政権交代」が唯一のはたじるしであった民主党は交代をなしとげたいま、やはり存在価値はないのではないでしょうか)。

 とりあえず目下注目すべきことは「自民党は再生できるか」です。なにせ今回の選挙で老人ばかりがうかり、わかいひとがのきなみ落選してしまいました。いかにも「戦後利権政治の象徴」みたいなひとがあつまった政党に未来があるのかどうか。

 でも、民主党政権がこのまま迷走をつづけ軌道修正ができなかったばあい、民主党にかわる政権をになうべき政党が必要です。その有力候補は、いまのところ自民党のみでしょう。

 それに日本に本当の意味で民主政治を定着させるためには、自民党の一党支配がこのましくないのとおなじく、民主党の一党支配もこのましくないのはあきらかです。その意味でも「たしかな野党」をそだてておく必要はあります。

 とりあえず汚名返上、政権奪還のために自民党がやるべきことは①野党の本分ときちんとはたす、②次世代の育成、といったところでしょうか。

 ①に関しては、国会の場で審議に参加し、まちがいを指摘し、対案をだし、しかるべきところで協力する。たぶん一番むずかしいのが最後でしょうが、政府与党に対し是々非々でのぞむすがたは国民がちゃんとみています。「なんでも反対」野党にくるしめられたからといって、なにも自分たちまでまねる必要はないでしょう。

 ②に関しては、今回落選した議員やそのほかからこころざしあるひとびとをあつめ、戦力として育成する。一般公募でひろく人材をあつめるのも手でしょう。若い世代をひろくとりいれることで、次世代をにないうる刷新されたすがたを印象づけなければなりません。

 要するに、政党としてあるべきすがたをきちんとしめせばいい、ということです。

 ただ、それにしても60年間かけてこびりついてきたダーティなイメージを払拭することはできないかもしれません。一番大事なことは「つぎの政権をにないうるたしかな野党をつくる」ことなのですから、おもいきってふるい自民党のカラをぬぎすてるのも手かもしれませんね。そういう意味では、これまで自民党本流だった町村派をはじめとして、麻生さんや福田さんといったいわば主力部隊が党の運営からはずれ、沈黙しているのは不気味です。総裁選そのものが「しずみゆく自民党を非主流派の谷垣さんにおしつける」ためのものだったとすれば、あの低調さ、もりあがらなさもちょっと納得できるかも。よくわかりませんが。

 あと問題は、マスコミがわりとロコツに民主党びいきであることでしょうか。すくなくともこれだけ発言や施策がブレまくっていれば、一年まえなら非難の大合唱だったはずです。

 まあそのマスコミがいつまでもつか、というのも未知数ですが。相当あせってますからね、いま。