これも未来のため(?)

 民主党政権の迷走ぶりがひましにヒドくなる昨今。

 とりあえずムダを全部けずれば国債を発行せずとも予算はくめるといったひと、でてきなさい。

 こんなことなら政権交代なんてないほうがよかった、なんて声がこのさき巷できかれるようになってもちっともふしぎじゃないけど、交代してしまったものはしかたがない。

 効果も不透明なバラマキのために防衛費や科研費がけずられ、製造業の派遣禁止で日本の工場が海外に逃避、それでも従来の利権構造にはまったくメスがはいらない・・・。

 民主党のおかげで景気の回復がおくれるかもしれないし、国家の防衛に大穴があくかもしれないし、企業がどんどんつぶれて大勢のひとが路頭にまようかもしれない。

 もちろん、かならずこうなるといっているわけじゃないですが、ただいかなる事態が生じようとも、これは日本国民がみんなで負うべき壮大な「勉強代」とかんがえるしかないです。

 僕はこれからどうなろうとも、政権交代はなされてよかったとおもっています。

 自民党の政治に文句だけをいっていればよかった無責任な民主党が、無責任につくったマニフェストで選挙にのぞんだ。それが「一回まかせてみようか」なんてお気楽な国民の支持をえて、はじめて政権をゆだねられた。

 政権の船出からわずか一ヶ月のあいだにすでに無責任マニフェストと現実とのくいちがいがみえはじめ、右往左往しているあいだにどんどん事態がわるくなり、その影響はお気楽国民を直撃するでしょう。

 ここへきてはじめて日本人は、選挙の重要性を知ることになります。

 これまで日本人は、選挙に対してあまり関心をよせてきませんでした。外国の国民が選挙に高い関心を寄せる理由も、理解できませんでした。
 でも、これではじめてわかったでしょう。
 民主政治において、選挙がどれほど重要なことかを。

 こうして日本国民も健全な危機意識をみにつけ、大人になってゆくのかなあとおもいます。

 そのためには、日本国民が一度本当に心の底から反省するような強烈なできごとがなければならないでしょう。東京に2、3発ミサイルをうちこまれるとか、日本のどこかが外国にのっとられるとか、失業率が3割をこえるとか。政治に関心をはらわず、みえみえのポピュリズムにまんまとのせられてきたツケはやはりおおきいといわざるをえません。

 それにしても、民主党も案外政権運営がむずかしいことをしって、すこしは現実路線にもどってくれればいいのですが。
 なにせかれらにはマスコミのロコツなひいきと「困難はすべて『自民党政治60年のツケ』のせい」という伝家の宝刀がありますから、本格的な反省はのぞみうすかもしれませんね。

 まあそのマスコミものきなみ、視聴率・購読料の減少と企業の広告料削減に青息吐息ですから(最近ほんとうにこれを感じます)、わかりませんけど。